これまでに、「腸内フローラの重要性」と「腸内環境が悪化した場合」をご紹介してきました。
→詳しくは(1)とても大切な「腸内フローラ」、(2)腸が腐敗している?
今回は、乳酸菌がどのように悪玉菌の侵入や定着を防ぎ、腸内フローラのバランスを保ってくれているのかご紹介したいと思います。
実は、食事から摂取した乳酸菌のほとんどは、胃や十二指腸を通る間に消化・分解されてしまいます。
有害な細菌を体内に侵入させない、防御機構ですね。
そのため、生き残って小腸や大腸にたどり着くためには、胃液や胆汁などの厳しい試練を乗り越える「特徴」を持った乳酸菌でなければなりません。
→詳しくは胃酸耐性試験をパスしたピーネ乳酸菌
※消化されてバラバラになった乳酸菌のカケラも、からだによい働きがありますので別途ご紹介します。
→詳しくは(4)腸と免疫の深い関係
さて、無事に胃や十二指腸の関門を通り抜け、消化されずに生き残った乳酸菌は、発酵の働きによって乳酸を作り始めます。
この「乳酸」が非常に重要なんです!!
乳酸菌が作った「乳酸」は腸内を局所的に「酸性環境」にしてくれます。
特に、大腸付近に住み着いているビフィズス菌や酪酸菌などの善玉菌にとっては、とても増殖しやすい環境になります。
これら善玉菌は増殖するとさらに酸を作り出すため、そのエリアはより一層強く「酸性環境」になっていきます。
悪玉菌は、善玉菌が占有している酸性環境では増殖することができません。
このように腸内環境を酸性化することによって、悪玉菌の侵入や定着を防ぎ、腸内フローラのバランスを一定に保つことができるのです。
さらに、大腸内で酸が増えることによって、蠕動運動(腸が動いて便を出そうとする運動)が活発になったり、便に含まれる水分を適度に調節できるようになったり、おなかの調子が整う効果もあります。
乳酸菌を食事に取り入れる際は、ぜひ「腸内の環境」も意識してみてくださいね!
ライター:信田ゆり子