ピーネブランドの野菜といえば「ニンジン」。
栄養豊富で、食事のいろどりにも活躍しますよね。
スーパーや八百屋さんでは、3本ほど袋に詰めて売られているのをよく見かけます。
みなさんは、買ってきたニンジンの皮を包丁やピーラーでむきますか?
実はあれ…
「皮」では無いんです!
今回は身近な「ニンジン」のちょっとした雑学をお伝えします。
明日からピーラーの出番が少なくなってしまうかもしれませんよ!
私たちが普段、ニンジンの皮だと思ってむいているものは、実は皮ではありません。ニンジンの実の部分なのです。
本来、ニンジンの皮は「内鞘細胞」という非常に薄い膜状のもので、出荷前の洗浄で泥と一緒に取れてしまっています。
そのため、キレイに洗われてお店に並んでいるニンジンは、既に皮がむかれた状態です。
ちなみに、家で泥付きニンジンを優しく洗ってあげると、この「内鞘細胞」を見ることができます。さらに、この膜状の皮を取らずにいると調理中にヒラヒラはがれてきます。
(見た目と食感が悪くなるので、泥付きニンジンを買った場合は、しっかり洗って取ることをオススメします。)
出荷前に洗浄されたニンジンは、すでに皮がむかれていることがわかりました。
では、なぜ包丁やピーラーで改めてむくのでしょうか?
多くは、食感や見た目の問題のようです。
やはり表面に近い細胞は硬かったり、煮えづらいことがあります。また、デコボコしていたり根っこが付いていることも。あまりにもデコボコしていると、土や雑菌が洗いきれませんので、少しむいたほうが良いかもしれません。
しかし、表面がキレイで食感もさほど影響の出ない料理なら、むかなくても問題ないでしょう。
ニンジンの表面を薄くむきたい場合は「スプーン」が便利です。
スプーンの首元をしっかりと持ち、ニンジンの上から下に向かって少し強めに削ります。下から上に向かって削ると、しっかり深く削ることもできます。鮮度が落ちたニンジンでは、スムーズに削ることができませんので注意してくださいね。
つい最近まで、ニンジンの実の表面(以下、分かりやすく“皮”と書きます)は内側よりもβ-カロテンが豊富だと考えられてきました。
これは、文部科学省が調査・公表した「五訂増補日本食品標準成分表(2005)」の中で、“皮”無しニンジンより“皮”付きニンジンの方がカロテン量が多かったことから広まった話です。
つまり「ニンジンの実の部分は同じはずだから、きっと“皮”にカロテンが多いのだろう」と考えられたのです。
そのため、一時期「“皮”には栄養がたっぷりあるから、捨ててはいけない!」というブームがありました。
しかし、最新の「日本食品標準成分表 2015年版(七訂)」では、ニンジンの“皮だけ”も調査され「“皮”も実も大差ない」ことがわかりました。
さらに、本書には以下のような注意書きもあります。1
分析に用いた試料についても、それぞれの時点において一般に入手できるものを選定しているため、同一のものではなく、品種等の違いもある。このため、食品名が同一であっても、各版の間における成分値の比較は適当ではないことがある。
つまり、試料による差が大きく、部位による違いは明確ではなかったということです。
ニンジンから栄養をしっかり摂りたいのなら、“皮”の有る無しよりも、ニンジン自体の質に目を向けた方が良さそうですね。
このように“皮”は栄養的に必ず食べた方が良い!…というほどではないようです。
ただ、野菜加工に携わる者としては、やはり食べられる部分がゴミになってしまうのは悲しいことです。できれば“皮”をむかずに、かつ、美味しく食べてもらえたら…と思ってしまいます。
そこで、最後にニンジンの“皮”のためのレシピをいくつかご紹介します!
少し硬いからこそ、その歯ごたえが生きる「ニンジンの“皮”レシピ」を集めてみました。
ポリ袋にニンジンの皮と調味料を入れよく馴染ませる。袋の空気を抜いて一晩冷蔵庫で寝かせれば完成。
フライパンでオリーブオイルを熱し、ニンジンの皮を揚げ焼きにする。塩を振りかければ完成。
ニンジンと大根の皮は太めの千切りにし、サラダ油を熱したフライパンで炒めます。醤油、みりんを加え汁気がなくなったら、ごまをふって完成。
今までニンジンの“皮”を捨てていたという方、
これからは、他の料理に使ってみたり、スプーンでむくようにしてみたり、ちょっとの工夫で生ゴミを減らしてみてはいかがでしょうか?
今後も、野菜の豆知識・雑学などお届けしますのでお楽しみに。
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ライター:信田ゆり子